マスタード(洋からし)の歴史とレシピと種類。ディジョンとアメリカンマスタードの違い。

 

マスタードは世界中で楽しまれる辛味と酸味を持つ調味料ですが、その起源は古く、古代エジプトが最初。

基本的なレシピや歴史は同じでも世界中に広がる過程で分科しています。

歴史と起源の他、フランス生まれのディジョン、アメリカ生まれのイエローマスタード、その両巨頭の違いやレシピなど「マスタード」をよりおいしく楽しむためのティップスです。

 

ディジョン、イエロー、粒マスタード

 

マスタード(洋からし)の歴史とレシピと種類。ディジョンとアメリカンマスタードの違い。

 

マスタードの起源と歴史。世界中への広がり。

 

上述の通り、マスタードの始まりは古代エジプトです。

実際にエジプトの遺跡から、素材となる種子が見つかった例があります。

それが古代ギリシャでは医薬品としても使用された後、ローマ人の手にわたります。

ローマ人は精神安定剤や解毒剤など、さまざまな用途の医薬品として、同時に食料としても利用していました。

その後、9世紀にはフランス北部の修道士によって栽培されるようになり、修道士たちの収入源となります。

このあたりで、種子をすり潰し、酸味の強いワインを混ぜる、現在のそれに近い製造法が確立されます。

13世紀になると、フランスのディジョン市にて本格的な加工が始まり、19世紀にはイギリスで製粉が始まります。

製粉によりマスタードは食材として産業・商業ベースに乗り、世界中に広がりを見せる事となります。

 

 

 

マスタードの作り方。

 

そんなマスタードの作り方は、どの種類でも基本は同じです。

素材となるのはマスタードの種で、明るい黄色をしているものと茶色いもの、黒の3通りがあります。

黄色や茶色は味がマイルドで、黒は辛みが強いため、見た目の色味と共に味も考えながら選択します。粒タイプなどは、見栄えを優先するために黄色と茶色を併用することも多いようです。

種子に、酢や砂糖などの調味料を加えるだけという、作り方は非常にシンプルです。

ただ種はすぐには調味料と馴染まないため、数時間から数日待つ必要があります。

ディジョン(後述)に近い仕上がりにしたいのであれば酢をワインビネガーに変えたり、辛みを活かすために砂糖を入れないレシピもあります。

また粒ではなくペースト状のタイプを作るのであれば、種ではなくすでに粉末に挽かれたものを用意して、調味料と混ぜるという方法もあります。

この場合、種がなじむのを待つ必要もなく、すぐに完成します。

 

 

 

 

マスタードの種類

 

日本では洋からしとしてまとめられますが、発祥となる地域によって異なる特徴があります。

 

ディジョン

ヨーロッパで古くから知られているのはディジョンと呼ばれるタイプで、13世紀のフランスで作られたと考えられています。

ワインの国のフランスらしく素材にワインビネガーではなく、未熟成のブドウ果汁が使用されていて、明るく滑らかな見た目が特徴的です。

また長い歴史によって周知度が高く、ディジョンという名前が固有名詞として扱われることも多いです。

その製法はフランスの制度によって定められていて、その基準から外れたものは名乗ることができません。

 

アメリカンマスタード(イエローマスタード)

日本でよりポピュラーなのは、アメリカのイエロータイプです。

ホットドッグなどアメリカらしい料理によく使用されるもので、ターメリックを使用しているため非常に鮮やかな見た目をしています。

1900年代初めに、ホットドッグとの相性が良かったため人気となります。

辛味はなく、酸味が主役のマスタードです。

粒マスタード

ブラウンマスタードを粉に挽かずにそのまま使用したもの。ソーセージやポトフなどの薬味として好まれる。辛みは控え目。(Wikipedia)

 

ハニーマスタード

マスタードに蜂蜜を添加したもの。チキンやハムなど肉料理のソースとして使用される。(Wikipedia)

 

ディジョン、イエロー、粒マスタード

真ん中上が粒マスタード、左下がディジョン、右下がアメリカンマスタード(イエローマスタード)

 

 

 

 

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