柚子胡椒の歴史と作り方。種類は主に緑とオレンジの2種類。作り方のコツやおすすめ道具。
柚子胡椒は唐辛子を塩を混ぜて作った調味料のことです。
胡椒という名前がついていますが、それは唐辛子のことで「ペッパー」を意味する胡椒は使われていません。
柚の皮と、唐辛子と塩の3つの材料のみで作られ、九州ではポピュラーな存在ですが、四国でも徳島や高知ではつくられています。
流通量が多いのは緑色ですが、そのほかにもオレンジの柚子胡椒などバリエーションがあります。
柚子胡椒の歴史と作り方。種類は主にオレンジと緑の2種類。
柚子胡椒の歴史
歴史については、九州各地に発祥の地があり、正確なところはわかりません。
ただ、唐辛子が日本に伝来したのは戦国時代に大友義鎮(宗麟)に、ポルトガル宣教師が献上したことが記録として残っており、そこから国内に普及したのは安土桃山から江戸時代にかけてのことです。
そうして普及をした唐辛子は、しもやけ予防に靴下に入れるといった使われ方をしており食用として認知されるようになったのは近代のことです。
このことから、柚子胡椒が生まれたのも、唐辛子が一般的に食べられるようになってからと考えらます。
柚子胡椒の種類・バリエーション
柚子胡椒の種類は、使う柚子の種類、唐辛子の色の組み合わせで変わります。
基本的には、緑色の柚子胡椒と、オレンジ色の柚子胡椒の2種類で、いずれも柚子・唐辛子・塩から作られます。
緑色の柚子胡椒
赤く熟れる前の緑色の唐辛子と、黄色く色づく前の緑色の柚子の皮を使って作られるのが、緑色の柚子胡椒ですが、こちらの方が流通量が多いようです。
緑色の柚子胡椒は、柚子の若く強い香りが特徴で、柑橘系の匂いが鋭く、若い唐辛子の香りも乗った仕上がりとなります。
青柚と青唐辛子の獲れる夏から初秋にかけて収穫・製造がおこなわれます。
オレンジ色の柚子胡椒
赤く熟れた唐辛子と、黄色く色づいた柚子の皮を使って作られるのがオレンジ色の柚子胡椒で、緑色の柚子胡椒に比べるとフルーティな風味が特徴です。
熟れた柚子を使うため、甘味を伴った香りが混ざり、唐辛子の刺激臭は緑色に比べるとやや控えめな仕上がりです。
柚、唐辛子、いずれも色づく晩秋から冬にかけての収穫・製造となります。
その他の色の柚子胡椒
メジャーな緑、オレンジの他にも、豆板醤を用いた真っ赤な柚子胡椒や、ヨーロッパや南米で栽培される黄色の激辛唐辛子を使った黄色い柚子胡椒もあります。
柚子胡椒の作り方
原料は柚子、唐辛子、塩。
柚子は大きさによっても変わってきますが5個に対して、唐辛子が1本から3本くらいです。
柚子を洗ったあとに皮を剥き、細かくみじん切りにします。
唐辛子も水洗いをした後に、半分に切って種を取り除いたあとにみじん切りにします。
十分に細かくできたならば、すり鉢で混ぜていきます。
すりまぜながら、塩を皮の量に対して1割から2割程度入れておきます。
塩を多めに入れると長期保存ができるようになり、色を鮮やかに保つ作用もあります。
ただし、塩気が増えると柚子の風味の邪魔になり、上品な香りを残したい場合は、塩梅を考える必要があります。
さらにゆずの風味を加えるときには、皮を剥いた柚子の果汁を入れておきます。
十分に混ぜたものをガラス瓶などの容器に入れて味をなじませます。
柚子胡椒を作る際のコツとテクニックと道具。
ちなみに、柚子の皮や唐辛子を小さくするのはかなり骨が折れます。
筆者が作った経験から、ちょっとしたテクニックを。
柚の皮は薄く剥いたあと、適当な大きさに切って冷凍します。
同じく、唐辛子もぶつ切り程度で(別に丸のままでも可)冷凍します。
十分に凍ってカチコチになったら、凍ったままフードプロセッサーに投入します。
これで、柚子の皮は粉になります。
量をいっきに投入するとうまくいきませんが、少量ずつ、フードプロセッサーの刃が十分に回る程度で行っていけば、みじん切りしたり、すり鉢で擂るよりも早く細かくすることが可能です。
一度凍らせる事で、風味が飛んでしまう・・・ということも、その差異がわかるような違いは無い気がします。
また、柚子の皮を剥くなら、包丁よりも栗の渋皮剥きがお勧めです。(ハサミの形ではなく棒ピーラー形のもの)
薄く、長く、早く、剥けます。
amazon 栗の皮剥き 貝印 KAI 栗の皮むき 栗 むけちゃいました